鹿児島2nd.2日目、みずき(仮名)の長い1日【白谷雲水峡】


71日目。5月14日。

7時屋久島着

『フェリーはいびすかす』の船旅により屋久島の宮之浦港に着いたときには三半規管がやられていた。

~宮之浦港~

屋久島の天気はここ一週間の間崩れていてシトシトと雨が降っている状態であった。

~ブーゲンビリア~

民宿『宇美河』へ

港から近いところに宿を取っていたのでそこに向かった。

久々の個室である。1泊4,000円で贅沢であったが屋久島でキャンプは絶対したくなかったから必要な投資であった。

~民宿宇美河~

部屋でしばらくゆったりしていると、雨も止んで、外が明るくなってきた。

この屋久島で行きたい場所は『白谷雲水峡』『縄文杉』であった。白谷雲水峡は割りと近くにあるので行ってみることにした。

白谷雲水峡へ

まずは情報を集めるため観光案内所で行き方を教えてもらう。

~屋久島の観光案内所~

近くのバス停から10時16分に出発というのが最速な時間であった。ちなみに白谷雲水峡はトレッキングで行く場所である。

トレッキング(英語:trekking)は、歩きのこと。登頂を目指すことを主な目的としている登山に対し、トレッキングは特に山頂にはこだわらず、山の中を歩くことを目的としている言葉。ただし、結果的に行動の過程で、山頂を通過することもある。ニュージーランドでは、トランピング (tramping) と呼ばれている。

トレッキング用にバッグやシューズなど専用の装備で固めた人達が多い中、私は紐リュックの中にパンとカッパを積めて、普段の運動靴で出掛けた。(非推奨ですょ!)

バス停には30分前に着いていてバスを待っていたところ、『貴方日本人デスカ?』と片言な日本語で訪ねられた。

容姿的にはあんたも日本人だろっと突っ込みたくなったがそういう質問をするということは外国人さんなので、『そうですけど、貴方は外国人さんです?』と聞いた。

彼は私が日本人だと知って喜び『中国人デス。』っと答えた。このバス停で待っているときにカナダ人さんにも白谷雲水峡行きのバスはここでいいか聞かれた事もあり、周りは日本人よりも外国人さんが多い状況であった。

中国人さんも白谷雲水峡に行きたいらしくここのバス停であっていることを伝え、待っていた。

待っている間もよく話す人で『ホテルハココラヘンナンデスカ?』とか、『今日私ハ屋久島ニキタンデス。』とかを言っていた。

そしてバスが来て中国人さんの隣に座った。そこで中国人さんから『今日一緒ニ行動シテクレマセンカ?私心臓ガ弱クテ一緒ニ行ケル範囲デ構ワナイノデ』っと提案があった。

特に焦るスケジュールでもなかったし、日本の観光大使的な事をしている私にとって断る理由もないので一緒に行くことにした。ツアーに参加しようとしていた身が先導をする立場になるとは滑稽だなぁっと思っていた。

中国人さんは上海から来ている王さんという方であった。(歳は63歳である)

そして、王さんの明日のツアーの予約も自分がする羽目になっていた。(これは中国人さんのスマホだと海外通話になってしまうからである。)バスに乗っている最中にそのツアーの運営会社や内容などを調べているうちに白谷雲水峡の登山口に着いていた。

そこは、電波が届いていなかったのでツアーの予約は後にしてもらって白谷雲水峡を登り始めるのであった。

(最弱な)チームリーダーを任されている身としては、隊員の体調とタイムキーパーとしての役割がある。

具体的に言うと、隊員の体調は王さんの心臓に負担にならないように休憩多めで、タイムキーパーは16時10分に最後のバスが出るのでこれに間に合わないとアウトになるので気を付けないとならない。

トレッキングルートは初っぱなから、ぶっ飛んだ道を進まなくてはならない。こんな岩の上を登ったり、

こんな川の上を歩かなければならない。

王さんの体調もあるので、5分~10分進んでから休むことを気にかけていた。(気にかけなくても後ろを見ると休んでいるので心配しなくてもよかったが)

それでも大きな杉の前でお互いに写真を撮りあったりして1人で登るよりも全然楽しかったと思う。

山の中に入ったら雨が降りだしてカッパのフードをして歩き続ける。ヤクシカも途中で出てきてくれて2人ではしゃいだりもしていた。

杉の方もサイズが凄くて根っこ?の部分をくぐり抜けることができる『くぐり杉』などなど。

~くぐり杉~

くぐり杉を抜けると『白谷小屋』という小屋がある。ここでお昼休憩にした。

~白谷小屋~

王さんはここで引き返すと言ったが、個人的に一番楽しみである『苔むす森』まであと少しであるからここまで一緒に行くように説得をした。

苔むす森へ

苔むす森は、もののけ姫の森とも言われている場所で一面の苔が幻想的な雰囲気を醸し出している。石も木も緑になっている風景はなかなか見れないと思う。

ここで王さんと別れ更に前に進むのであった。

白谷雲水峡の全体図はこうなっている。

①の登山口から分岐が結構あるが自分は一番上の16番の太鼓岩を目指していた。(回り道の黄色や赤のルートは通らなかった。)

太鼓岩を目指して

苔むす森を過ぎるとトレッキングもよりキツくなってくる。雨のせいでフードをしていて下ばかり見ていると道からはぐれる、なんてことも少なくはなかった。

そして、前半はゆっくり歩いてきていたため、人の数も少なくなってきていた。

急ぎながら進んで到着。突如大きな岩がありそれが太鼓岩であり上に登ると視界が真っ白になる。

~太鼓岩(雨)~

雲のせいでなにも見えなくて逆に怖かった。

晴れているとこういう景色になっているらしい。

~tripper様より~

柵も何もなく落ち放題の場所に長居なんてしたくないので帰ることにした。この天気であれば苔むす森まででよかったのかもしれない。

帰路

トレッキングルートの最中の所々には下記のような給水ポイントがある。これは白谷小屋の給水ポイント。

行きと同じ道を帰るのが最高にダルいよなぁっと思いながら山を下っていた。気のせいか登っていたときよりもアップダウンが険しい道を進んでいたように思っていた。ここからは時間との勝負なので休憩もしないで下り続けた。

ループする世界

数時間歩き続けて、『登山口はこちら』という看板があったので、もう少しだと安堵していた。そして記念に近くにあった『2代大杉』の写真を撮った。

そして、2代大杉を後にしてもしばらく進むとまた、『登山口はこちら』の看板があった。背筋が凍る思いをした。そして道なりに行くとやはり2代大杉に出るのである。

このときに地図をしっかり見たところ、帰りは回り道をしていたことを思い知らされるのであった。(黄色のルートを通ってしまっていた。)

目印がなく岩と木しかない世界で尚且つ、雨で視界が最悪になっていたので仕方なかったと今でも思う。

登山口までは近い感じであったが、時計を見るとバスの最終時間まで残り50分で進んでもループしてくる道のりで途方と絶望の渦に浸っていた。

しっかり別れ道がないかもう一度目を凝らして進んでも2代大杉にたどり着いてしまう。周りに人もいないので自分でどうにかするしかなかった。

ループしている道を歩いている最中に『スーパーマリオ』のことを思っていた。クッパ城で正しい道を選択しないと同じ場所をループしてしまう仕掛けがあるのである。

~スーパーマリオブラザーズwii~

この時の教訓として一番下の道を選択すると言うことを覚えていた。実生活、特に今の状況に落とし込んでみると、下とはどこだ?っと考えていた。考えた結果、川を渡ることにした。

足が浸るが構わず進んだ。そして、ロープがついている木を見つけた。(コースがわかりやすいようにロープをしてある箇所が所々にはある。)

ループを打破するには川を渡るというアクションが必要だったのであった。それからは行きと同じ道が続いていたので安心感が込み上げてきた。

そして、バス停にはバス到着の30分前に着くことができた。

王さんもなかなか帰ってきて来ないから心配をしてくれていた。

回り道をしてしまったことを説明していたら、横のおじさんが『道はちゃんと通れた?』っと言ってきた。

なんでもそのおじさんは私の後ろを歩いていて、私が回り道のルートに進んでいくのを見ていたとの事であった。そして、ツアーガイドに川の水が増水しているかもしれないので通常ルートで帰りましょうと勧められたそうである。

最初道がわからずにループしてしまったのは増水による影響だったとここで腑に落ちた。

下山

バスが来て王さんとまた行動を共にして街へ帰った。宿も近いことから同じバス停で降りて王さんのホテルまで案内をしてからお夕飯も一緒に食べるほど付きっきりなガイドをしていた。

~首折れ鯖の刺身定食、1500円~

宿へ

明日はこれ以上に過酷なのか、、っと思いつつ民宿宇美河に着いた。

玄関を開けると『みずき君(仮名)おかえり-』っという事を言われ驚いていると今たこ焼きパーティーをしているとのことで誘われた。

取り合えずシャワーを浴びたいのでシャワー後にリビング?に行くことにした。

タコパ!

お風呂後に民宿のオーナー勢と宿泊者の3名(合計6名)が行っているたこ焼きパーティーに参加した。民宿でのイベントは初めてでありたこ焼きも餅とか入ってて美味しかったし、何より賑やかな空間が久しぶりに感じた。

明日の準備のため、向いのスーパーで買い物をして眠るのであった。

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